先日会った友人は、元気一杯に見えて、何でも頑張る人。

でも話を聞いていると、これまでに色んな病気をしてきたという。

子宮がん、乳がんは若い時に手術して今まで再発無し。

最近、胃にポリープができて検査の為に手術した。良性だった。

その前に、交通事故にもあって、車は大破した。

数年前糖尿病になり、治療中。

ランチすると、食後に沢山の薬をバッグからだして飲んでいる。

私より若いのに。そんなに色んなきつい思いをしてきたことは態度にださないし、いつも明るい。
もう開き直っているのよ、という。

1人暮らしなので、時々孤独死の恐怖が襲うらしい。

1人になると鬱になったりするという。そんな時、お茶に誘われる。

私は、鈍感なところもあり、というか、あまり人のプライバシーに関心がないので(なのに色んな人の人生をなぜか知る)彼女の病気の話もあまり突っ込んで聞いたことがない。
もっと聞いた方がいいのだろうか、と最近思ったりもする。

不安を誰かに聞いてもらうと、(母のように)気持ちが楽になるだろう。

私はたわいもない話をして、ただ笑っているだけ。

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帰宅してから、彼女の話をもっと深く聞いてあげた方が良かったのかなと思ったりする。

「私はあと長くて15年しか生きられないみたい。」と彼女が呟いた。
いつも元気そうだし、仕事も頑張っているし、活発な人なので、ピンとこなかった私は、軽く聞き流した。それが物足りなかったのだろう。
「医師に確認してみたのよ。そしたら10~15年だって言われた。」
と言う彼女。

え?とそこで驚いた。鈍い私。

でも、何て答えたらいいのだろう。言葉がでなくて黙ってうなづくしかなかった。

だって誰でも、いつ何があるかわからない。事故にあうかわからないし、私の方がそのうち末期のがんが発覚するかもしれない。

それに、そのうち良い薬ができるかもしれない。

だから、そう言われても、ピンとこないのだ。

とその時は思っていた。

最近、自分が彼女の立場だったらと思うと、彼女みたいに明るく頑張れるだろうかと自分のダメさに情けなくなる。
15年て意外にすぐだ。

そんなに早く大事な友人とお別れがくるなんて、絶対嫌だ。

そんな事、本人が一番辛いに決まっている。それを態度にださない彼女の強さ、頑張りには敬服する。
後からそんな事を思い出して、はっとするダメな私だ。

かなり苦労した結婚生活も、とうの昔に彼女は切り捨てて、今は自由で開放された生活を手に入れている。

地元の人だということもあるが、助けてくれる親族や友人を近くに持っている。

お兄さんのお嫁さんも、県外なのに色々声をかけてくれたり、協力してくれるようだ。
彼女が病気になったら、すぐに来てくれ、退院したらお見舞いや日用品など送ってくれると教えてくれた。
私は、そういう付き合いを親族には期待できない。

でも、まだ子ども達がいるだけ幸せかもしれない。

それにしても、親友も若くして天国に召された。
良い人なのにどうして?神様を恨んだりする。

色んなところで迷惑ばかりかけてきた夫みたいな人間は長生きしなくていいから(笑)、良い人こそ長生きさせてほしい。