続き
リハビリのおかげで、少しづつ麻痺がとれていたが、それでもギプズが外せず、歩くのは不自由だった。
その状態で退院した。
弟夫婦は家にも来なくなった。
家に帰ると良く動くせいか、急速に良くなってきた。とりあえず母も私もほっとした。
が、まだ杖が離せなかった。
そんな時、墓参りに弟の車で出かけた。車から降りる時や、立ち上がる時は、手で支えてあげないと危険だった。私がいる時は支えてあげたが、私が実家にいる間に完全に良くなってほしいと願っていた。
お墓に母の手をとり、坂を下り歩いた。弟夫婦は後ろで見ているだけ。
だいぶ良くなっていたので、母は時々自力で歩いた。1人で歩く練習しないとと。
お墓の掃除を母と二人でしていると、何もせず後ろで立っていた弟夫婦の笑声が聞こえた。
振り返ると、嫁さんが母を指さし、笑っている。弟と「1人で歩けるくせに!ばれてるのにね!」と言っているのが聞こえた。耳を疑った。
母にも聞こえていたと思うが、黙っていた。