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母は、足首から先がマヒした為に、歩く時に踏ん張れず、杖をつきながら片足をぶらぶらと浮かしながら歩いていた。

母は落ち込み、元気に歩けるようになる為に手術したのに、どうしてこんな事に…と悲しんでいた。私は色々ネットで調べたり、病院からもらった資料を読んでみた。
すると、手術後にきちんとマッサージをしたり、処置をしないと神経が圧迫され、麻痺することがあると書いてある。

母の術後、病室があいていないという理由で、ICUに二日入れられ、本来頻繁にマッサージやリハビリが必要だったのに、全く放置されていた。
その為、神経が圧迫され、麻痺してしまった。
病院側のミスではないか。

早ければ3か月で回復することもあると書いてあり、母に希望を持つように話していた。
しかし、医師がはっきりと大丈夫と言わない為、不安な面持ちだった。

そんな時、弟が、母を馬鹿にした様な言いかたで
「麻痺なんて大げさな。ひざを持ちあげれば浮くんだから大丈夫だ。何を悩んでいるのか」としつこく言う。仮病だと言うのだ。
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そんな事はない、本当に動かない。ひざをあげたところで、下はぶらぶらしてしまうのだと訴える母。

弟はその時、頑固で聞き入れなかった、そしてこう言った。
「昨日も奥さんと家で話したんだよ。ひざをあげれば足は持ちあがるからいいじゃんて。大げさなんだよ」

その後、めったにこない嫁さんがふらりと来て、世話をしている私にむかって「あなたからも、お母さんに注意しといて。考え過ぎなんだからと」と言ってきた。


は?どの口で言う?と思ったが、私は母の側にたち、なぜそうなったのか、もしかしたら良くなるかもしれない、と調べた事を話して励ました。

転倒防止に必要なギブス的な物を購入して履いて、リハビリを始めた。

その時も、弟は「ギブスが高い、無駄だ」と馬鹿にした。

いくら私が説得しても、夫婦で聞き入れなかった。

今思えば、母が仮病だと思いたかったのだろう。歩けなくなったら、世話が必要になるから、絶対したくなかったのだろう。
その為に、元気だ、歩けるはずだ。と思いこみたかったのか。