母から電話がきた。


鼻にチューブをつけたまま、元気な声で少し安心した。
「盲腸みたいなものよ。」と明るかった。腸を空にしているので痛みもとれ、本人はもう治った気でいる。

まだ正確な検査をしていないので、小腸がどうなっているのかはわからないが、とりあえずはホッとした。

病気の重さではなく、本人が苦しむのが一番困る。
高齢なので、本人もある程度覚悟はしているだろうが、最後まで苦しむ事がなければいい。

今は、連休中に我慢していた痛みから解放されて、病院にいて、ホッとしているところだろう。

母から、下着を買って送ってほしいと頼まれ、すぐに買って送った。

普段からいつ入院になっても良いように、準備はしていたから心配はないそうだ。

ただ、下着類は、弟では探しきれない物があって、私に頼んだらしい。

やはり、母は「(弟が)良く動いてくれるので助かる。よく気の付く娘みたいだ」と喜んでいた。それは良かった。その裏には弟嫁への失望が感じられたが。仮に嫁さんがいたとしても、母のストレスになりそうだ。

以前母が入院した時の、彼女の冷たさと性格の強さは懲りている。

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とりあえず、声を聞いて、私は落ち着いた。弟が今のところは頼れる。母は私より弟がいてくれる方が良いのだし。
いざ、世話が大変となったら、あの夫婦は放り投げるかもしれない。弟は嫁さんに引きずられるから。

その時までは私は出しゃばらない。

手術後がどうなるか、原因は何か、悪性腫瘍なら治療が長引き、そのまま弱るのではないかとか色々考えてしまう。


悪性であっても、高齢だからあれこれいじらずに、家に帰っていつも通りに生活させてあげたいと思う。そうなる事を祈るしかない。