続き

突然の話に、Mさんは返事のしようもなく、ただ部下の男性に「色々お世話になってきたのに、申し訳ありません」と謝るしかなかったと言う。
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「奥さんも大変ですね。頑張ってくださいね」と逆にMさんを励まして部下の男性は帰って行った。


この部下の目的は、愛人の存在を奥さんに知らせる事で、奥さんが愛人を訴えて慰謝料を請求するなどの動きがあれば、社長は家庭を選ぶのではと期待した様だ。


何とかしてその女性を排除したかったのだ。


苦労して社長についてきて、1から作り上げた会社をこんな形で奪われてたまるかと思っていた。

だが、完全にのぼせあがっていた社長は、女性の言いなりだった。「あの人は気に入らないから首にして」と言われれば聞いていたという。会社の雰囲気は最悪になった。

部下は黙ってはいられなかった。せめて、これまでの自分の功績に対しての慰労くらいはあってもいいだろう。あまりにひどい切り方じゃないか。

家庭のある人に近づいて、東京からでてきて社長と同じマンションに引っ越し、会社まで役員で入ろうとするその女性の野心には驚いた。


その女性の噂を聞いたら、以前にも別の社長さんと似た様な事があったらしい。会社が潰れかかった途端、縁を切り、Mさんのご主人に乗り換えたと言う話だった。
一番悪いのは社長なのだが、ワンマンなので誰も忠告できなかった。


不貞はあきらかだが、社長はとぼけている。
あくまで、「能力のある人をスカウトしてきた」と彼女を社員や仕事関係の相手に紹介し、すぐに役員の席につけた。

その後、部下は退職金を請求する訴えを起こし、裁判になり、全額勝ち取る事ができた。

Mさんは、何も行動は起こさず、愛人の事も知らないふりをし続けている。


その代わり、頻繁にご主人のマンションや会社に顔を出す事にしたという。


                     続く