ファンファーレで感動し、「ヘイヘイヘイー!」のフレディの声。

椅子はゆらりゆらりと動く。フレディの動きや、カメラの動きに合わせてゆらりゆらり。
seat

車に乗るとエンジン音と共に椅子がブルブルと振動する。一緒に車に乗っている感覚。

ライブエイドのステージへの階段を下がると下を向き、また上がると上を向く。

風も色んなシーンで吹いて来る。

ライブの場面になると、照明がピカッ、スモークがフワーッ、ドラムとベースに合せて椅子が動く。
ライブ会場に居る様な感覚になる。

まるで会場が音に合わせて乗りまくり、椅子が生きている様だ。
椅子の下と腰の部分は、頻繁にブルブルしていて、マッサージチェアみたいだった。


椅子と一緒に足を動かせたし、気にせずノリノリになれた。

勿論、ドンドンパッ(We will rock you)の場面では足踏みの振動がしっかりきた。

パーティのシーンでは、ハーブ系の臭いがたちこめる。ドラッグをイメージしたのだろうか。
紅茶みたいな香りだった。香りには感動した。パーティの部屋にいる様だった。

フレディの動きに合せて、自分も動く。

雨のシーンは、濡れるのかと思い、椅子の手元のスイッチをオフにした。

だが、それは失敗だった。
他の椅子では、ほんのり雨の演出があったのではないかと思う。濡れるほどは無かった様だ。オンにしとけば良かったと後悔。


やはりライブエイドのシーンが、臨場感と迫力が最高だった。

会場の大勢の人々のいる位置からステージに向けてカメラが飛んでいくシーンは、フワーツと飛んでいる感覚がした。


ピアノの下をくぐって、ドラムの方へ抜けるシーンも、まるで自分が滑りぬけていく感覚だった。

臨場感を味わいたいなら4DXは良いと思う。
音楽やストーリーをじっくり味わいたい時は、少し気が散るかもしれない。動きに気をとられるかもしれない。と言っても、激しくはなく繊細だった。

料金は千円プラス。それだけの価値はあったと思う。

4DXが終わった後、無意識に踏ん張っていた様で足が凝っていた。

この映画は何回みても新鮮だ。新しい発見があり、感動する。細かくこだわり、良く作ってあると思う。

色んな人のカメオ出演、日本画や日本の置物、お札、前には感じなかった登場人物の隠れた表情など、いくらでも発見がある。


辛い不安な日常を忘れて、過去の自分に戻ったり、新しい興味に走ったり、現実逃避と言えばそれまでだが、この映画は、元気を与えてくれる。

もうフレディがいないと思うと悲しくなるが、彼の彼等の残した作品は永遠に残る。

音楽の力は素晴らしい。この余韻を大事にエネルギーにして、頑張ろう。