夫からメールが来た。

こちらからの家族の為の送金関係、夫の借金の返済の連絡は無視するが、自分の事となると命令口調で指示してくる。

「印鑑証明を送れ」「住民票を」「戸籍謄本を」などと時々頼んでくる。そういった大事な書類をこっそり取り寄せる事は面倒なのだろう。印鑑登録証もここにある。

理由を言わずに頼まれても、簡単には引き受けない。信用できない。


何をするかわからない。ただでさえ、すぐに詐欺商法に乗っかる人。

理由を聞くと、母親の相続関係に使うとか会社で必要だと言う返事が多い。

今回は、「車を手放す事になったから必要。」と自分から先に理由を言ってきた。


車を買っていた事なんてそもそも最初から知らない。いつのまにか買っていた事を知った。

しかも2台も。ばれた時、「あれ?言わなかったっけ?」ととぼける。
           2りんご3

結婚当時、夫はローン会社からの催促の電話に対して
「あれ?振り込んでませんでしたっけ?おかしいな。今から調べてみます。」
ととぼけていた。

私に内緒の借金だったが、目の前で電話を受けてばれた時だった。

平然と「こうやってとぼけると、相手は簡単に騙せるよ。これでいつも誤魔化せる。教えてやる」と言った。私はこんな人だったのかと落胆した。

そんな私の反応を見ても、人の気持ちを読み取れない夫は、自慢気だった。

私に自分の手の内を見られた事に気が付いていない。同じ事を私にもしてくるし、騙せると思っている。

そういうところの配線が外れている。

再び強い督促がくると

「返したつもりだったんですよ。ただの勘違いじゃないですか。そんなに人を疑うなら、今後返しませんよ。いいんですか。回収できなくて困るのはあなたでしょう。こっちは返す意志があると言っているのに!」

と逆切れしている。いや、キレている演技だ。誰にでも、いつも同じやり方なので、私から見れば、何て白々しい、と呆れる。さっさと返済すればいいことだ。自分が100%悪いのに、催促する相手が悪いから返さないと理由をつける。


話をすりかえ、相手を責めて誤魔化すのは、私との話し合いでも同じだ。


人生の体験を積み上げて人格を形成していく事ができず、最初の成功体験だけにこだわり、その時のやり方が絶対的方法と信じる。

子どもの時についた嘘で、大人に許してもらった体験があれば、それを大人になってもずっと繰り返していくのだ。

女性の実家のお金をあてにする性質も、最初の彼女がお金持ちで、相手の実家から色々してもらった事が、夫にとっては、「これが当たり前のこと」だとインプットされたのだろう。(と最近納得がいった)


この返済についての演技も、たまたま最初にそれで許してもらった事を、全てに通用すると思い込んだのだろう。

大人の世界で、子どもの言い訳なんて通用しない。そこがわからないところが致命的なのだと思う。


成功体験ではなく、最初の失敗体験も同じで、反省を知らない夫は、深く根にもち、恨み、コンプレックスとなり、関係のない人に復讐してそれを晴らそうとする。

それがモラハラ、DV、職場での失敗に繋がっている。

そのせいで、何をやっても同じ地点から動けない。どんなに逃げても言い訳しても夫は救われない。

自分が過去のこだわりにコントロールされている限り、夫は成長しないまま、関わる人達を巻き込んで、後始末もしないで人生を終わる事だろう。

いくら気が付いてほしいと訴えても、無理だった。気がつくのが怖いのだろう。夫を変えられるとしたら、義母しかいないと思う。

だがもういない。夫は義母が亡くなった時、悲しむ顔も見せず、むしろ解放されたようだった。

葬儀の時、親族に「悲しくない。なんかホッとした。」と言ったそうだ。あんなに母親の愛情を求めていたのに。求める必要が無くなったからか。いかに夫の心の中に重く存在していたか。

かと言って、何も変わっていない。


夫が他人なら、何の被害も与えられないなら、同情したと思う。それは理解した上で、これからも戦っていく。