市役所の受付で、相談内容を伝えると、こちらへどうぞと奥の部屋に通された。


Aさんと子供さんと一緒に部屋に入った。


子供の遊ぶコーナーがあり、そこで私は子供さんを見ながら時々相談に加わった。


相談担当の女性は二人。40代と50代位か。



二人は優しくうなずきながら、Aさんの話に耳を傾ける。ノートに記録を取りながら。


「よく、相談にこられましたね。DVにあっている方は、なかなか被害者という意識が無くて、我慢されている人が多いんですよ。」とAさんを労った。




「いえ、私も自分がDVにあっていると知らなくて、自分が悪いのかと思い、一人で悩んでいました。離婚なんてできる訳ないと思っていましたし、考えてはいけないと思っていました。人に相談してここまで来れたのです。」

とAさんは答え、相談員の方は、私の方を向いて「よくぞ、ここへ連れてきてくださった」と頭をさげた。


この時すでに、Aさんは実家に帰っており、これからどうすれば良いのか、スムーズに離婚できるのか、今後の生活の不安などを相談していた。


実家は、同居する余裕が無く、反対を押し切って結婚した事もあり、これ以上甘えられないと言っていた。

親の見る目が正しかったという事か。確かになあ。親の反対を押し切っても結婚したいと言われると、益々燃え上がるものだからね。


私も、もし反対する人がいたとしても、素直に聞かなかったかもしれない。



自分だけは大丈夫って、こんなに愛されているのだからって、誤解してしまうんだよね。



 伝えたい事!一人で悩まず、身近な人に相談しよう。市役所でも相談窓口がある。