りんごの嘆き

人生の後半もだいぶ過ぎた主婦りんごの嘆き。これからは自分らしく生きる。最後は笑って終わりたい。

     

夫からメールが来た。

こちらからの家族の為の送金関係、夫の借金の返済の連絡は無視するが、自分の事となると命令口調で指示してくる。

「印鑑証明を送れ」「住民票を」「戸籍謄本を」などと時々頼んでくる。そういった大事な書類をこっそり取り寄せる事は面倒なのだろう。印鑑登録証もここにある。

理由を言わずに頼まれても、簡単には引き受けない。信用できない。


何をするかわからない。ただでさえ、すぐに詐欺商法に乗っかる人。

理由を聞くと、母親の相続関係に使うとか会社で必要だと言う返事が多い。

今回は、「車を手放す事になったから必要。」と自分から先に理由を言ってきた。


車を買っていた事なんてそもそも最初から知らない。いつのまにか買っていた事を知った。

しかも2台も。ばれた時、「あれ?言わなかったっけ?」ととぼける。
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結婚当時、夫はローン会社からの催促の電話に対して
「あれ?振り込んでませんでしたっけ?おかしいな。今から調べてみます。」
ととぼけていた。

私に内緒の借金だったが、目の前で電話を受けてばれた時だった。

平然と「こうやってとぼけると、相手は簡単に騙せるよ。これでいつも誤魔化せる。教えてやる」と言った。私はこんな人だったのかと落胆した。

そんな私の反応を見ても、人の気持ちを読み取れない夫は、自慢気だった。

私に自分の手の内を見られた事に気が付いていない。同じ事を私にもしてくるし、騙せると思っている。

そういうところの配線が外れている。

再び強い督促がくると

「返したつもりだったんですよ。ただの勘違いじゃないですか。そんなに人を疑うなら、今後返しませんよ。いいんですか。回収できなくて困るのはあなたでしょう。こっちは返す意志があると言っているのに!」

と逆切れしている。いや、キレている演技だ。誰にでも、いつも同じやり方なので、私から見れば、何て白々しい、と呆れる。さっさと返済すればいいことだ。自分が100%悪いのに、催促する相手が悪いから返さないと理由をつける。


話をすりかえ、相手を責めて誤魔化すのは、私との話し合いでも同じだ。


人生の体験を積み上げて人格を形成していく事ができず、最初の成功体験だけにこだわり、その時のやり方が絶対的方法と信じる。

子どもの時についた嘘で、大人に許してもらった体験があれば、それを大人になってもずっと繰り返していくのだ。

女性の実家のお金をあてにする性質も、最初の彼女がお金持ちで、相手の実家から色々してもらった事が、夫にとっては、「これが当たり前のこと」だとインプットされたのだろう。(と最近納得がいった)


この返済についての演技も、たまたま最初にそれで許してもらった事を、全てに通用すると思い込んだのだろう。

大人の世界で、子どもの言い訳なんて通用しない。そこがわからないところが致命的なのだと思う。


成功体験ではなく、最初の失敗体験も同じで、反省を知らない夫は、深く根にもち、恨み、コンプレックスとなり、関係のない人に復讐してそれを晴らそうとする。

それがモラハラ、DV、職場での失敗に繋がっている。

そのせいで、何をやっても同じ地点から動けない。どんなに逃げても言い訳しても夫は救われない。

自分が過去のこだわりにコントロールされている限り、夫は成長しないまま、関わる人達を巻き込んで、後始末もしないで人生を終わる事だろう。

いくら気が付いてほしいと訴えても、無理だった。気がつくのが怖いのだろう。夫を変えられるとしたら、義母しかいないと思う。

だがもういない。夫は義母が亡くなった時、悲しむ顔も見せず、むしろ解放されたようだった。

葬儀の時、親族に「悲しくない。なんかホッとした。」と言ったそうだ。あんなに母親の愛情を求めていたのに。求める必要が無くなったからか。いかに夫の心の中に重く存在していたか。

かと言って、何も変わっていない。


夫が他人なら、何の被害も与えられないなら、同情したと思う。それは理解した上で、これからも戦っていく。
     

ご無沙汰していた古い付き合いの友人から、メールが来た。

本当に久し振りで、メールと電話でやりとりをしていたら話が盛り上がり、つい長くなってしまった。


面白い話を聞いた。今だから…みたいな事だろう。

この友人は夫の大学の後輩で、当時の夫の事を私より知っている。

お互い、就職や結婚で遠く離れてしまい、年賀状だけのお付き合いになってしまった。でも、若い時の友人は、いつ会っても分かり合える気がする。

お互い子育てで追われていた時期を乗り越え、少しほっと落ち着いてきたところだ。

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彼女は、うちの今の状態は知らなかった。


てっきり、夫婦仲良くお正月を過ごしたのだろうと思ってのメールだった。


簡単に家庭の状況を説明した。やはり夫の事を「そんな人とは思いたくなかった。がっかりした。」と驚いていた。彼女自身も結婚生活は苦労の連続だったらしく、最近やっと楽になってきたとの事だった。


そして、私の知らなかった過去の話を教えてくれた。


     

年末の返事はせず、放置していた。

向こうからも何も言ってこず、結局帰ってこなかった。
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今朝、メールがきた。
「ハーイ!おめでとー!」
これだけだ。

この能天気さが理解できない。自分にとって思いたい様に思う癖がでている。


まあでも、これが救いになる時もあるけど。


しかし、何だろう。こういうテンションでいる神経もわからないし、家族の事は全く他人事と言うか。


こんなメールをするかと思えば、別人の様に意地悪をするのだから。慣れてしまった。もうどうでもいい。


初詣に行ってお御籤ひいたら大吉だった。めったにひかない大吉。良い事が起きるかな。


もうすぐ平成が終わる。

悪い事は年号の終わりと共に去りぬ…で、今年は皆様にとっても自分にとっても明るい未来を感じられる年になりますように。
     

睡眠不足気味のお正月。

楽しいからいいのですが。


昨夜はレイトショーで、ボヘミアンラブソデイーを再び観て来た。あの音楽を劇場で聴きたいので、何回でも観たい。



ドライアイ気味なのと睡眠不足で、少しボーッとはしていたが、始まったらあっという間、またのめりこんでしまった。


クラプトンの曲も一瞬流れるし、マッカートニーの名前も出て来る。
現実と多少異なる部分はわかっていても、映画として素晴らしく、良くできていると思う。

前回とは別の劇場だったが、音響が違い(IMAXではない)前回聴こえなかった音が聴こえて来た。

最初の20世紀フォックスファンファーレのギターの音からして聴こえ方が違った。鳥肌がたち感動した。



もっともっと爆音で、一緒に歌いたい、動きたいと思ったが、応援上映ではなかったので、こらえた?(笑)


終了し、満足感一杯で立ちあがったら、ふらついて酔っ払いみたいになったがすぐに立ち直った。

目のせいか、脳が疲労していたのだろうか、映画はなるべく昼に観る様にしよう。

老化を感じて嫌になる。かつて体調不良を起こしてから、予期不安がまだ残っているので無理はしないようにしている。


何でも良いから、ささやかでも好きな事をして、明るく元気にいこう。

     

明けましておめでとうございます
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予想通り、夫は帰宅するかどうかの連絡もなく、結局帰宅せず、私は子ども達といつも通り楽しく過ごしている。

このまま数年会わずにすむかもしれないが、突然向こうの都合で(世間体を繕う為とか何かしでかして、泣きついてくるか)会う機会もあるかもしれない。

夫のアパートの鍵を持っていた時は、こっそり行ってやろうかと思っていたが、今は引っ越してしまい、鍵も無く、それができなくなった。今はそこまでする気持ちも無くなった。

その時間と費用とエネルギーを自分の為に使いたい。旅行した方がまし。


籍だけ入っていて、実態は他人だと私は思っている。が、子ども達や肝心の夫はそうでは無さそうだ。

子ども達が、父親の存在だけでも必要としている気持ちも尊重したい。

話は変わって、初詣に行き、久し振りにおみくじで大吉を引いた。


今年は良い年になるかなあ。どうぞ家族が健康で明るく過ごせますように。


     



最近、右腕にしみが増えてきた。紫外線によるシミ、老化現象だと思う。

冬は長袖で隠れるので日焼けは気にしなくてすむのだが、ふと気が付くと左手で無意識に右腕をつねっている。痛くなるまではやっていないが、皮膚を指で擦ったり、ひっかいたりしている。

あ、またやっていた。と思い手を引っ込めるが、気がつくとまたやっている。

最近急に増えた右腕のシミは。紫外線のせいもあるかもしれないけど、この癖も関係あるかもしれない。


いつのまにこんな癖が。なぜ、右腕なんだろう。


私の中に心理的な何か闇があるのだろうか。考え過ぎ?


とにかく気をつけよう。見た目も悪い。夏でも長袖を着ないといけなくなる。

これが子どもの行動だったら、口には出さないけどとても心配するかもしれない。

何かストレスが溜まっているのかなあと。


自分の事だと、たいした事じゃないと思ってしまう。
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夫は未だに爪をイジイジと噛む癖がある。


「もしかして爪噛んでる?」と聞くと「爪なんか噛んでいない。指を見ていただけだ」と言い張る。
慌てるわけでもなく、恥かしがる事もなく、とぼける。

夫は、仮の話、服を脱いでても、「服は着ているよ」と言う人間だ。最悪「服が勝手に身体から離れた」とまで言う。絶対嘘だと明らかなのに、平然と言う。

幼児が悪戯をして親に叱られるのを怖がって、嘘をつく事があるが、それと全く同じ事をおじさんになってやっている。

誤魔化すという事は、”してはいけないと自分でもわかっている”という事だろう。


子どもの時から、ずっと注意されてきてて、その都度こうやって誤魔化してきたのだろう。今更私の言うことなんて聞くわけないか。でも、人前でやったらみっともないと思うが。


夫が甘えたかった義母はもういない。今頃誰も注意する人のいない部屋で、思う存分爪を噛んでいることだろう。



     

話をM子さんに戻そう。

会社を辞めてからも、パートさんからたまに連絡があり、色々職場の様子を話してくれた。


M子さんは、ご主人の浮気が発覚し、離婚してほしいと言われたらしいとか。M子さんはパートさん全員に毎日自分のお喋りを聞かせていた。私にしていたように。

プライベートな話を何でも話してくるので、聞かされる人はどう反応すればよいのか戸惑っていたらしい。
                                          


その後しばらくして、M子さんはご主人から「浮気相手が事故で亡くなった。離婚はしないことにする。」と言われたという。

そんなドラマみたいな事あるのかなあ。凄いなあ、と思いつつ私はM子さんの話を疑っていた。


仮に真実としたら、可哀想な話だが、M子さんが心から悩んでいる姿が想像できなかった。

M子さんも夫と似たタイプな気がした。


仮に離婚しても、ケロッとして彼女ならすぐに次の相手を見つけるイメージがあった。


辞めた会社の話題を聞いても、遠い昔の事の様でどうでも良かった。


その後、何年経ったか、M子さんの名前も忘れるほど、当時の事は記憶から薄れて行き、そのパートさん達とも次第に疎遠になっていた。
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そんな頃、近所に大きなショッピングセンターができた。

その店の食品売り場で買い物をした時だ。隣のレジの人を見た時、どこかで見た顔だなあと思った。


M子さんだった。名前を思い出せない。名札を見ようとしたが、遠くて見えない。


M子さんにこんな所で会うとはと、しかも忘れた頃に。驚いた。

M子さんの当時の家はその店からは遠く離れている。我が家からも遠かった。

だから同じ市内でも、そう簡単にばったり会う事は無いと思っていた。営業の仕事でそれこそ車であちこち回り、色んな人に会っても、M子さんには出くわさなかった。

今更声をかけるなんてしない。向こうは私の事は忘れているだろう。

そう思い、それ以降もそこで買い物をしてもM子さんの事はスルーしていた。

それからまたしばらく経って、私はPTAの役員をする事になった。

同じ役員のお母さんと雑談をしていた時、その人が自分の職場の話題をし始めた。

レジの仕事で、女性ばかりだから色々人間関係が大変だという話で盛り上がった。あるパートさんでこんな人がいるのよと話題になったその人がM子さんの事だったのだ。

名前を聞くと、聞いたことのない名前だった。M子さんの苗字は忘れたが、聞けば思い出すはず。しかしその名前は全く聞いた事のない名前だった。
M子さんは結局離婚したのだそう。この時の職場でも自分の身の上話を誰にでも話している様だった。

それで、色んな男性と付き合い、今は同棲中だという。

そのお母さんが言うには「あんなお化粧もしない皺だらけのおばさんにそうやってすぐに彼氏ができるのが不思議、性格も変わってるし、本当の話なのだろうか、と皆疑っているのよ」

なるほど。相変わらずなのね。名前が変わっているから、離婚は本当の話だろう。

結局、子どもさんはできず、独身のままだという事がわかった。

頑張って働いて、元気でいるのね。それだけでもうM子さんの事はいいわ。と思いながら、どこで誰が見ているかわからないものだなあ。怖いなあ。気を付けなくてはと思った。

それから後、M子さんはそのお店を辞めていた。今度こそ、もう会う事は無いと願いたい。



     

最初は、病院の長椅子に座っていた。
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段々何とも言えない不安感が増してきて、居てもたってもいられない苦しさ、我慢するとか踏ん張る事ができず、身体をどう維持したらいいのかわからない、誰か助けて!と言いたくなる様な気分の悪さが襲ってきた。

ブチッと頭の中で音がした感覚の後からずっと脳の状態がおかしかった事は確かで、酷いめまいが続いていた事だけは自覚できた。

椅子に横に倒れ込み、息が荒くなった。今思えばこれはパニック症候群に似ていたが、どこの病院でも診断はされていない。原因不明と言われた。


私の様子を見た看護師さんが、走ってきて診察室に運んでくれた。


医師は脳の疾患では無い事をチェックした後、呼吸を整えさせ、落ち着くまで病室に寝かせてくれた。


めまいはひどくなっていき、大荒れの海に流される船みたいだった。



病院で休ませてもらったお陰で、夕方には落ち着いてきた。
                                               


暗くなる頃にはやっと歩いて帰る事ができた。

そう言えばあの日、夫は病院に迎えに来る事も無く、何をしていたのか。もう忘れてしまった。帰宅した子ども達は何も知らず無邪気に夕飯を食べていた。

こんな時、やはり夫の存在も含めて、誰か協力を頼める人が必要だなあと感じた。


それからが問題だった。私はしばらくの間、外に出られなくなってしまった。

簡単な家事はできるのだが、感覚が敏感になっていて、何をしても疲労し、気分が悪くなる。

大きな病院に行ってみたが、原因不明と言われた。


脳ドック、耳鼻科、産婦人科、内科、たらい回し状態だった。

今なら、精神科にも行って、パニック発作とか何だかの診断と対処方法はあっただろう。
当時は精神科に行く勇気が無かった。

鬱病で親族が亡くなったばかりで、薬漬けになるイメージがあり、怖かった。(後に良い医師を見つける)

自分で原因を考えて見た。

夫からのストレスを溜めていた上に、M子さんの件が引き金になったと思う。出勤途中に起こったのも、無意識に身体が職場に行くのを拒否したのかもしれない。


精神科に通う事は頭になく、とにかく不調を早く治したかった。


夫は、まるで他人事で、「原因がわからないのは困るなあ。どうしたんだろうねえ。」と言うだけ。


私は買い物に出るのも困難になってしまい、仕事に復帰するのは無理だと思った。


会社に説明し、退職を了解してもらえた。


すると、M子さん以外の、パートさん達が、次々と心配して電話をくれた。

あるパートさんから言われた。

「皆心配していますよ。りんごさんはM子さんが原因で倒れたんじゃないかって。そうなんでしょう?傍からみていて気の毒だなって思っていたのよ。りんごさんが困っているの、良くわかっていたわ。でも、M子さんはりんごさんが好きで仕方ないのよね。りんごさんの気持ちなんて全くわかっていないのよね。」

え~そうだったんだ。誰も全く気にしてない風だったのに、M子さんの話題なんて一度も私にした事なかった人たち。わかっていたんだな。

「私たち、M子さんがあなたの家にお見舞いに行ったり、連絡しない様にうまく話して止めているから心配しなくても大丈夫よ。仕事を辞めてしまうのは寂しいけどゆっくり休んでね。」と言ってくれ、有り難かった。


この件が刺激になったのか、夫が仕事を見つけて来た。



     

バスを降りる時には、自分がどうなってしまったのかわからない初めての感覚に、パニックになっていた。
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急に目の前がぼやけ、身体に力が入らない。降りた場所は会社に行く途中のバス停。
知らない町に降りたところで、どこに行けばいいのか。


運よく、バスを一緒に降りた婦人が目の前にいた。



「すみません。具合が悪くなってしまって」と声をかけた。
そしてその婦人の手につかまった。
優しい人だった。「私これから病院にいくところだったけど。どうしますか?」と聞いてくれた。

そのまま一緒に連れて行ってもらう事は頭に浮かばず、とにかく自宅に帰りたかった。

外で倒れて、人に迷惑をかけたくなかった。この時すでにこの婦人には迷惑をかけたが、自分で動けるうちに家に帰ろうと思った。

悪い病気だとかは全く思わず、休めば治る感じがした。だが、自分がおかしくなったという恐怖心があった。
今なら脳の疾患かと思って救急車を呼ぶか、近くの病院に駆け込むだろうが、当時まだ若かったのでそこまでは頭に浮かばなかった。

「家に帰りますので、タクシーを拾ってくださいませんか」
とお願いし、必死で婦人にしがみついて何とか立っていた。

「私にも娘がいるのよ。わかるわ。ちょっと待ってね。」と言って、タクシーを止めてくれた。

タクシーに乗るとお礼を言って自宅に向かった。婦人の名前も聞く余裕もなく、お礼の言葉を言うのが精一杯だった。

タクシーの運転手に何も説明をする訳でもなく、ただ気分の悪さを我慢していた。

家まで意識が持つかどうか不安になり、自宅近くのかかりつけの病院に行き先を変更した。


運転手は、まさか具合が悪い人だと思ってもいない様で、色々世間話をしてきた。

ニコニコして、親切なので、「私具合悪いんです」と言いにくい雰囲気。世間話の相手をするなんて拷問みたいだった。黙って静かにしていたかった。

何とか平静を保とうと、運転手に具合が悪いと感ずかれない様にしていた。

今思えば、何やってるんだ、と思うが、その時の自分はネジが外れた感じで、思考も滅茶苦茶だったと思う。


病院の前に到着した。平静を必死で装って何とかお金を払い、タクシーを降りた。

降りれたのは良いが、地面が斜めに揺れる感覚。おっとと、とあっちこっち、まるで酔っ払いだ。

でも、みっともない所は見られたくないと思い、身体を斜めにしながら、ふらふらと病院の中に入った。始業時間が近かったので、会社に体調不良で休むとだけ言い、すぐに電話をきった。


タクシーの中で、運転手が話しかけてくれた事で、具合が悪い事を悟られまいと踏ん張った事が良かったと思った。呼吸の乱れ、パニックになった頭を落ち着かせられた。

気を強く保っていたから、自分で病院まで来れたんだと思った。


受付をすませて椅子にすわると、一気に気が緩み、急激に気分が悪くなってきた。



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わけのわからないM子さんの言動が、馬鹿馬鹿しくて相手にしたくなかったのだが、つきまとわれるのが本当に苦痛だった。
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家ではやっと夫が就活を始めていた。


この頃、夫が豹変したというか、素を出し始めており、実は就活はしているふりで、嘘ばかりついていた。

そんな時期でもあり、不眠が続いた。脳に水がかかっている様な感覚はまだあった。

ある日、出勤中のバスの中で、「さて、今日の仕事の段取りはどうしようかな」と考えて居たその時、頭の中で、ブチッと音が聞こえた。(感じがした)


目の前が急にぼやけてきた。身体の感覚がおかしくなった。何かおかしい、異常が起きた、と思って、バスを降りる事にした。

椅子から立ち上がって、降り口までまともに歩けないので、揺れているふりをしてあちこち掴みながら何とか降りた。


 

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