りんごの嘆き

人生の後半もだいぶ過ぎた主婦りんごの嘆き。これからは自分らしく生きる。最後は笑って終わりたい。

     

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Y氏のこの言葉、挨拶もそこそこにいきなり怒鳴るなんて、失礼だと思った。

一応来客ではないか。


それに、予想はしていたが、私が悪者になっている事ははっきりした。


夫は私には内緒でY氏とつるんでいたし、私は二人の会話なんて何も知らない。何をどう怒っているのか意味もわからなかったが、夫が自分をかばうために、また私のせいにした事だけはわかった。


予想はしていたが、まさかここまであからさまに言われるとは。


夫の方に顔を向けると、焦っておりニヤニヤして黙っていた。夫はバツが悪い時はニヤニヤする癖がある。

私は「すみません、何を怒っておられるのか良く分かりません。私は今体調が悪く、薬で頭がぼーっとしていますので、うまくお話ができないかもしれません。」ととりあえず言った。

すると夫が「そうなんですよ。具合があまり良くないんですよ。」と言う。

(誰のせいで私をこんな目に合せているんだよ)と腹がたったが、その夫の態度を見てY氏は益々機嫌が悪くなった。


そこに噂に聞いたY氏の愛人らしき女性Aさんがお茶を持ってきた。
そしてY氏の横に座って「さ、話し合いを始めましょうか」と言った。

なんでこの人が関わるの?と思ったが、AさんもY氏と一緒に何か企んでいたんだなという事はわかった。

どう見ても、(全く付き合いの無い私がY氏とAさんに対峙しているこの場面はおかしいよね!夫として自分の尻拭いをさせ、関係の無い妻をこんな場に立たせるなんて最低だよね!)と思えて、情けなく、横で他人事の様にヘラヘラしている夫にほとほと嫌気がさした。


「●さん(夫の名前)から聞きましたよ。あなたは、私の事を嫌って、●さんと私が一緒に仕事をする話を壊そうとしているそうですね。ご主人が私に泣きついてきましたよ。奥さんが邪魔をして困ると。このまま奥さんの言いなりになると、自分は仕事も何もできなくなる。生活費を稼ぎたいのに妻が邪魔をするから、生きていけない。実家に自分だけ帰って、親に食わせてもらおうかとまで思っている、と悩んでいると私に相談してきたんですよ。奥さん、ご主人の邪魔をしてダメじゃないですか。私の事まで妨害して!」

とY氏が一気に話し始めた。


夫はニヤニヤしながらも目は焦っていた。



     

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タイトルだけ見ると、まるで浮気の修羅場かと思われそうだ。


私は例え夫が浮気しても、こんな事はしない。なぜなら悪いのは夫だからだ。


浮気された方は、相手のせいにして、必死で縁を切らせようとする人は多いが、そんな事をしてもこんな種類の人間は懲りずに相手を変えて、また同じ事を繰り返すに決まっている。

問題なのは、相手のせいにする当の本人だ。


私は、Y氏も悪いかもしれないが、原因は全て夫にあるとわかっている。


なので、浮気相手に言うように「夫と縁を切ってください」なんて言う気も無かった。そもそも、仕事でお互い利用しようと寄り合った大の男の代わりに、奥さんがお願いにいくなんてこんなみっともない話は無いだろう。

夫はみっともない事を私にさせ、自分は被害者ぶって平気な顔だ。それも人としておかしいと思うだけだった。


私は、夫に利用されるのはもう嫌だった。だからこの時は、夫を助けるのではなく、Y氏を夫から救う目的で会いにいった。


私の内心を知らない夫は、面倒な事は妻にやらせ、あとからY氏には

「とめても妻がきかなくて、あんな行動にでてしまったんですよ。いつもこんな風で、妻には邪魔されるんですよ。僕はあなたとやりたいけど、妻があんななので…。すみませんね」

とでも言って、自分は良い人なまま、私を汚れ役にして逃げるつもりだ。

夫は、もし浮気をしても、同じやり方をするだろう。自分が相手を捨てたくなったら、「妻にばれて騒がれた」とか嘘を言い、妻のせいにして、自分はいい人のままで、綺麗に別れようとするのは目に見えている。全てがそうだ。

夫は、私の思惑を知らず、ニヤニヤしてついてきた。

Y氏の会社に着くと、来客用のテーブルに案内された。業務時間は終わり、シーンとしていた。

Y氏は私を見ると、睨み付け、いきなり「どういうつもりなんですか!私の何が気に入らないんだ!」と私に向かって怒鳴ってきた。




     

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とにかく早くY氏と縁を切らせたかった。


私の体調は良くなく、薬で何とか生活している状態。そこへこんなトラブル。私の感は当たっていたのだが、どうみても夫の自業自得。


薬でぼーっとしていた私だったが、もう自棄になっていた。とにかくY氏と縁を切りたいと言う夫。

私に話す事は嘘だろう。Y氏に断ってなんかいないと思う。

誘われれば軽くOKと言い、後先考えず良い格好をする。今更もう付き合いませんなんて言ってないだろう。所詮意気地なし男だ。

夫は、いざとなると本当に器の小さい男である。自分の些細なミスも、「自分は悪くない」誰のせい、子のせい、妻のせいといつも人のせいにする。責任をとる器も気概も無い。


Y氏に対してもきっとそうなのだろうと思った。


私の前とY氏の前では真逆の事を言っているだろう。


とにかく私はY氏の会社に乗り込んで行った。夫も一緒に。

 
     

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「はっきりYさんに、もう付き合わないと断ればいいじゃない」と夫に言った。

「言っているんだけど、無視して押しかけてくるんだよ。あの人、段々言う事が変わってきて、僕からお金を奪うまで付きまとう勢いなんだ。」と言う。


おそらくこの話には一部嘘がある気がした。

Y氏に何か弱味を握られているのか、すでにお金をいくらか渡しており、それを返してもらうには縁をきれないとか、何か訳があるのだろうと思った。

でも、このままでは、自宅にまでストーカーされたら困るし、Y氏と縁を切らせることが先だと、夫を責めるのは後だと思った。


この頃の私は、夫のストレスで、精神科に通院中だった。

あんなに注意したのに、何をいまさら私に泣きついてるんだ。勝手な事ばかりして、この人と結婚してなければ、どんなにもっと充実した生活を送れただろうと、夫との生活が地獄に思えた。



     

Y氏が役員待遇で雇うと言ったって、小さい個人商店。


Y氏も夫と似ている。自分の事を大きく言う。すぐばれるのに。


私はY氏を危険だと警戒した。でも、夫はまだべったりしている。このままでは何か被害を被るのではないか、と感じた。

夫は簡単に詐欺にあう。子どもに学費が必要な時でも、学費以上のお金を詐欺師に寄付し、そのまま平気でいる。騙されたとも思っていない。都合の悪い事は記憶から消している。


学費に使うより詐欺師に使った方が良かったようで、子どもにお金がいるよと言うと、わざとお金を捨てて、無いよと言えるようにしている気がする。


同じ事を毎回繰り返すから、そう思った。そこも人間として親として異常性を感じるところだ。
この頃、まさしく2人目の子が進学する時期で一番お金が必要になる時だった。

また夫は、「子どもに使う位なら、Y氏に渡そう、自分の為にもなるし」と考えているのではないかと不安になった。

夫は自分の思いたいように思い込む癖がある。Y氏の事を疑う私に必死で「良い人だ、自分を本当に評価してくれているのだ。役員になれば楽になる。このままなら会社もくびになり、路頭に迷うぞ、いいのか」と言うだけだった。


それから毎日帰りが深夜になり、様子がおかしくなっていた。


私にはY氏と一緒だという事を内緒にし、残業だと嘘をついていた。嘘はすぐばれた。


夫がやつれてきた。そしてやばいと思い始めた様だったが、今更私に「あなたの言う通りでした」なんて言える訳がない。自分の失敗を認めない人間だ。


だから、自分に責任は無く、Y氏が悪いのだという口調で

「Yさんは、雇ったら給料は沢山あげるよ、と言うが、具体的に数字を言わないんだ。」
「雇ってほしければ出資しろと言うんだ。請求する額が高額でとてもそんなお金ない(私の実家にださせろと暗に期待している)」
「最近毎日のように、お金を持ってこいと迫られている」
「僕が、躊躇すると、最近はストーカーみたいに会社の前で待っていて、仕事が終わった僕を車に乗せて無理やり遊びに連れていく。毎晩お金を使わされ、苦痛だ。」

と言い出した。


 
     

その危険な香りのする人はY氏。自営業をしていて、夫とは仕事繋がりの顔見知りだった。


偶然買い物中に見かけ、夫が私にYさんの事を紹介していたので知っていた。


見た感じは紳士的できちんとした風貌だったが、本当に直感で、危険な感じがした。

その時は、まさか夫と親しくなるとは思ってもいなかったので、気にしないで終わった。


それが、夫が職場に居づらくなった途端、噂を聞いたY氏は夫に近づいて来た。


最初は夫はY氏と親しくなった事を隠していた。

次第に帰宅時間が遅くなり、残業と言いながらY氏と一緒に毎晩遊びにつき合わされていた事がわかった。
次第に夫は、毎日疲れた顔をし、無理している感じに変わっていった。


噂で夫の能力や悪い噂は耳にしているはずのY氏が、なぜ近づいて急にべったりしているのか、しかも私に内緒で。どう考えても夫の性質を悪い意味で利用しようとしているのではないかと不安になった。


「Y氏は家族がいるが、愛人Aさんと暮らしている。その人を社員として働かせている。Aさんには二十歳の娘がいるが、その娘も雇っている、それが、2人共時給は最低賃金以下で働かせ、赤字になると人の貯金を使わせているんだよ。Aさんには旦那さんがいるんだ。Y氏は、自分の為なら誰でも利用するだと有名だよ。ご主人には、私から注意はしたけど、Y氏にすっかり頼っているんだよね。奥さん、大変ですね」

夫の性質を良く知る人が、私の事を心配してくれ、教えてくれたのだった。


夫の行動が日増しにおかしくなってきた。何かにとりつかれた様だった。

つまり、夫にとってはただの逃げ場に過ぎない、次の利用する相手でしかなかったY氏だったが、それを上回るY氏の夫を利用しようとする勢いに、調子が狂ったようだった。


私は、夫に忠告した。


最初は聞き入れなかったが、段々愚痴をこぼす様になった。

「Yさんが、僕の話を聞いてくれない」と言う。
「今日も、断ったのに勝手に話をすすめてきた」


その話の内容というのは、「一緒に仕事をしないか、役員待遇で雇うよ。君の能力を高く評価しているんだよ。」とY氏から誘ってきたのだという。

普通に考えて、あの時の状況で、こんな事を言うのは考えられない。胡散臭い。だが、夫にすれば、最高の逃げ場であり、自分は悪くないと思っているから、自分を見る目のある素晴らしい人だと有頂天になったはずだ。


わかっていないのは夫自身だけだった。



 
     

共依存になっている人、DV、モラハラにあって苦しんでいる人に、「気にしなければいい」とか、「気の持ち様」とか、「考えすぎ」とか、「あなたがそんな風に思うからよくないんじゃないか」などの励ましは無意味どころか害だと思っている。

経験した事の無い人は、よかれと思って励ますのだろうが、当事者はそれができないから苦しんでいる。


モラハラ、DVは、ただの夫婦間の問題とは種類が違うと思う。

被害者が、被害者と自覚していない場合があり、いつのまにかどっぷりと共依存になり、自分を責め、逃げたくてもにげられない状況にされている。

そうなると、どんなアドバイスをしても、相手から離れたり、立ち向かう勇気を持つ事は難しくなっている。

洗脳され、すでに病んでいる人もいる。

更にその人に、もっと努力しろというのは、加害者を調子に乗せ、被害を悪化させるだけ。

昔から「嫁にきたんだから」という古い考えの中で、女性はどんな目にあっても我慢を強いられてきた。実家の親にいくら訴えてもDVやモラハラという観念の無い時代に生きた人がほとんどなので、味方につくより、我慢する事をまず言われた。

うちの夫も同じで、女は我慢するものだ。夫のやる事に従って当然、苦労して尽くすのが当然という古い差別意識がある。


自分が被害者だと気がついていない場合は、人に話さないからなおさらわからない。

近くにいて観察するとか、詳しく話を聞いて、もしかしたら?と感じた時は、公の機関などに一緒に行ってあげて、相談をすすめる事が一番いいかもしれない。


それも、なかなか難しいと思うが。暴力なら目に見えるし、即行動できるが、モラハラや経済的DVなど、目に見えない事や、相手が演技がうまく誤魔化したりすると、なかなか証明ができない。


相手によっては、逆に被害者を加害者に仕立てる人もいる。
そうなると泥沼だ。モラハラの加害者は、悪時恵だけは良く働く気がする。


「あなたは、悪くない」「被害にあっているから、抜け出そう、逃げよう」「逃げられないのなら、相手の作戦をかわすやり方を考えよう」
位しか、私なら言ってあげることはできない。過去に1人はその方法で救い出したことはある。


家にいるのが怖いと言い、旦那さんにどなられ、なじられ、泣いていた奥さんだったが、今では笑顔の毎日だ。

子どもさんは一人でまだ小さく、奥さんも若かったのと、周りの協力も得られて、エネルギーもあってラッキーだった。

今では、自分らしさを取り戻し、気持ちは晴れやかに過ごされている。


ああ自分にもそんな日がくるのだろうか。他人の心配している場合じゃないのに…


     

近所の大学の学園祭に行ってみた。


賑やかで楽しい。


若い力があふれている。

年とったせいか、男女共、若い人達は綺麗だな、お洒落だなと思う。男性の綺麗さは、昔に比べ一番変化したところだろう。

自分はどうだったっけと過去を振り返ってしまう。

自分も学祭で色々やったけど、楽しかった様なそうでもなかった様な。悪い記憶は消えるからなあ。


いつも思うのは、今の自分のままで過去に戻れるなら人生やり直したいと思う。


色んな反省すべき事が沢山ある。

携帯の無い時代だったからどうだろうな。行動パターンは変えられるだろうし、人との付き合い方も変わるだろうな。


などと妄想している自分。無駄なことを。こうでもしないとやってられない。


ふと思った。

もし人が本当に生まれ変われるとしたら、前世の記憶がどこかにあって、次の世ではやり直せる様になっているかもしれない。

人生に成功した人、悔いの無かった人は、前世の失敗を教訓にして今世で頑張ったのかもしれない。


私は、前世での経験がまだ浅かったのだろう、人間としてまだまだ新米で未熟だったのだ。


きっと、次に生まれてきた時は、今の反省を活かして今よりは後悔しない生き方ができると信じたい。


夫は、こんな事を考える人ではない。きっと「自分は悔いのない人生だった、自分は素晴らしい人間だった」と思うだろう。だからまた次も同じ事を繰り返していくと思う。


お互い、人間に生まれてくればの話だが。
来世では二度と会いたくないものだ(笑)


もう何にも生まれ変わらなくて良い。と思う。



     

私は、自分のプラィベイトな話は積極的には話さない方だ。


幼馴染や、古い友人なら自然と私の歴史は知っているから、説明はいらない。
何も言わずともわかってくれている。


だが、最近知り合った友人は、私の事を何も知らない。自分の家庭の事は質問された時に答えるだけにしているから。

友人たちは、自分の事情をこちらが聞かなくても、結構詳しく話してくる。


私は自分が幸せであっても、不幸であっても、話したところで誰にでも理解してもらえる事ではないし、へたすると噂話のネタにされるだろうと予想している。


「あなたはいいわね、ご主人の稼ぎで楽しているんでしょ」
「そうは言っても、ご主人がいるからいいじゃない」
「もっと、ご主人の為に色気をだしてあげないと浮気されるわよ」

などと、想像で言ってくる人もいる。

どれもしっくりこないが、わかってもらうにはいくら時間があっても足りない。

何も言っていないのに、想像で決めつける人には理解してもらわなくてもいい。



「旦那さんに好かれる努力をしなさいよ」と言われると別世界の話をされているようで、きょとんとしてしまう。

私が好かれようと努力したから、夫は調子にのり、モラハラは悪化し、益々無責任男になってしまったのだ。

きっと、夫みたいな人格の人に出会った事がない幸せな人は、そんな事は想像できないのかもしれない。まさか私がそんな人と結婚してるとは思っていないのだろう。


被害にあった人でないとわからない。簡単に人に話せるものではない。

昔の様に「女が我慢して尽くせば、夫はかわってくれる」とか「女は男に尽くすべき」とか、そんな考えが、共依存を増やして行く。
「あげ〇ん」とか「さげ〇ん」とかそういう言い方も嫌いだ。

何でも女のせいにするなと言いたい。


調停委員からモラハラ、DVも「被害者にも原因がある」と言われた人もいる。

理由があればいいってものではない。

モラハラやDVする人は、後付けで相手のせいにしてくるのだから、こういう他人の無責任な発言は、被害者の心を更に傷つけ、共依存の人を更に泥沼に落としてしまう。




     

 続き



浮気相手の話は続く。

「彼はいつも愚痴っています。お金が無いと。妻が、”別れたいなら多額の慰謝料と養育費を払え”と言って、離婚に応じないと。絶対別れないと言われて困っていると。毎月あなたに生活費を送っているからお金が無いと。だから私が、彼の生活費もだしています。今日は、彼と別れろとあなたから言われると思って覚悟してきました。」

「でも、全く違うんですね。彼は嘘ついているんですね。わかりました。あなたに協力します。」


という事で、浮気相手の協力でそれからすぐに離婚できたそうだ。


その後、友人は、元旦那さんの新恋人(当時の浮気相手)にお礼を言ったという。


「あなたの存在がなければ、縁は切れなかったでしょう。助かりました。」と。



驚く事に、この浮気相手だった女性は、近所の人で、ご主人より13歳年上だったとか。


「まあ、私よりずっと色っぽい綺麗な人だったし、ちょうど良かった」と友人は語った。


が、この件で、元旦那さんの嘘がばれた訳で、そういう人間ならうまくいかないはず。


再婚はしたそうだが、すぐに破局したそうだ。


そのきっかけにも驚く。男性側の嘘が原因かと思ったら今度は新奥さんの浮気が原因だった。


それも、更にもっと年下の男性を家に入れており、現場を旦那さんが目撃したという修羅場。


何かもう聞いているだけで、胸やけがしてくる話だった。




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